無愛想なCinderella





彼はそう言うと、私の頬に手を添えた。
…愛おしむように、そっと。



「―――もう我慢できない。好きだ、菜月。…俺があんな風に優しくするのは、菜月だけだ」






好き………




初めて言われたその言葉に、私はどうしたらいいかわからなかった。


好きって、どんな気持ち?


…わからない。
私には、わからない。


固まる私に、彼はゆっくりと続ける。





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