無愛想なCinderella





「………私になびかないあんたなんか、こっちから願い下げよ!」


彼女は私たちをにらみつけながらそう言うと、ハイヒールの音を鳴らして本社の方に去っていく。
私はそれを、松島千尋の腕の中で見ているだけだった。






「行こうか?移動しながら話すから」


そう言って彼はゆっくり私の身体を離し、その代わりに指を絡める。


私は俯きながらも頷いて、彼の車まで歩いていくのだった。





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