無愛想なCinderella
―――無駄に晴れ渡った五月晴れの空。
廊下の窓から射し込む光に、私は少し目眩がしそうだった。
今日は午後から研修があって、研究開発部のある開発センターからすぐ隣の本社ビルに移動しなければならないのだ。
研究開発部から研修に参加するのは私一人だけ。
…研究開発部最年少、かつ唯一の女性社員なのでこういった面倒な業務を任されることが多い。
「…あ〜ぁ」
私は何ともやる気のない声を上げながら本社ビルに向かうのだった。
―――桐生菜月、もうすぐ25歳。
青空とは対照的に気分は最悪だった。