無愛想なCinderella
…近くで見ると、やっぱり圧倒されるくらいの美形。
手を伸ばせば届いてしまうくらいの距離で、私はぼんやりそんなことを考えてしまっていた。
「また、会えた…」
彼はそう呟いた。
「は…?」
「いや、…桐生さんは、研究開発部だから、いつまた会えるかわからなかったから」
そう言って恥ずかしそうに俯く彼。
―――いつのまにか近くにいた人たちの視線が私たちに集中している。
しかし、私はそのことに全く気づいていなかった。