無愛想なCinderella
本社ビルはあんまり好きじゃない。
…ビルというよりも、そこにいる人たちがだけど。
研究開発部は変人が多いから、腫れ物にさわるように接してくるのだ。
もちろん、私もその一人なんだけどね。
私は開発センターをあとにして、そのまま本社ビルに入った。
すると受付の新人社員が、私が首から下げている研究開発部用のIDカードを見るやいなやこちらに飛んできた。
「研究開発部の桐生さん…ですか?」
そう尋ねられ、私は頷く。