無愛想なCinderella





「別にもういいです。仕事だし、これが最初で最後だし」


私はそう言うと窓の外に視線をやった。


…そうだ。
こんな風に誰かと出かけるなんて初めてだった。


だったら、まぁ、ねぇ?
怒る気にもなれない。



「…桐生さんて変わってますね」


「あ〜、…まぁ。研究開発部なんてみんなこんなもんですよ」


そう言うと、彼は少し困ったように笑った。





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