無愛想なCinderella
営業部長は私の肩を抱き、顔を近づけてきた。
妙に荒々しい鼻息とねっとりした視線に、私の肌は一気に粟立つ。
「なっ…!」
「桐生さん、美人だしこういうことも慣れてるんだろう?少しくらいいいじゃないか」
…このオヤジ馬鹿じゃないのか!?
私は必死に逃げようとした。
でも、身体がこわばって動いてくれない。
松島千尋にも黙ってきたから、私がここにいることに気づくはずもない。
そうこうしているうちにオヤジの顔が近づいてきて、私はぎゅっと目を閉じた。