無愛想なCinderella
こっちがうっとりしてしまうような甘い表情を浮かべて、松島千尋は続けた。
「桐生さんがですよ。あなた、めちゃくちゃ綺麗ですからね」
そう言うと彼は私ごと立ち上がる。
「―――さ、帰りましょう?今日のお詫びに、帰る途中に俺おすすめのパン屋連れて行きますからね」
優しく笑いながらそう言う彼の姿に、落ち着きかけた私の心臓はまた激しく反応するのだった。
…松島千尋。
―――なぜか、私の頭の中では彼の名前を何回も何回もリピートされていた。