無愛想なCinderella
雨足はさらにひどくなり、窓をしっかり閉めているのにうるさいくらいになった。
私はにらみつけるように松島千尋を見る。
“本気だ”なんて言われたって響かない。
…そのはず、なのに。
頭の中では雨粒の音と心臓の音がぐちゃぐちゃに混ざる。
…早く一人になりたい!
「―――信じない。他人にそんな感情抱くわけがない!…帰って!」
なにかが壊れた音がした。
雨音にかき消されることもないくらい、その音は頭の中で響いたんだ。