無愛想なCinderella





「独り言でも話すように話せばいいよ」


私の耳元でそう囁き、もう片方の腕でぐっと私の身体を引き寄せる。


…さすがに慣れないシチュエーションに、頭の心がとろけそう。


判断力も自制心も、全部どこかにすっ飛んでしまう気がした。










「―――親に捨てられたんですよ」


私がそう切り出した瞬間、私の目を覆う彼の指がぴくりと動いた。





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