無愛想なCinderella





――――私の父親は、私が小学校に上がる前に事故で亡くなった。
…その日は雨の強い日だった。


それからしばらくは、母と二人で慎ましやかながらも幸せに暮らしていた。


小学4年生のある雨の日、母は仕事先で出会ったという恋人を家に連れてきた。


…それから、変わった。




母は家に寄りつかなくなり、最低限のお金だけを置いて恋人の元に通うことが多くなった。


給食費とか修学旅行の積立金とか、必要なお金をきちんと払ってくれたことは感謝している。
でも、私自身のことは全く見なくなったのだ。





< 59 / 132 >

この作品をシェア

pagetop