無愛想なCinderella
「…ッつ!」
次の瞬間、その人は顔を歪めながら手の甲を見る。
…怪我させちゃった?
「あ…ご、ごめんなさい」
私がそう言うと、その人はこちらを向き苦笑いをした。
―――見たことないくらい整った顔。
特に印象に残るのはその涼しげな、それでいて男らしい目元。
背は私より頭一つ分以上高くて、肌なんてシミ一つない透明な肌だった。
………この人、一会社員じゃなくてモデルでもやればいいのにもったいない。
そんな風に思うことすら、私には初めてのことだった。