無愛想なCinderella





「―――これで納得しました?」


私は背後から抱き締められたまま、ありのままを話した。


私が話し終わった後、しばらく松島千尋は何も話さなかった。
…いや、話せないのかもしれない。


まさかこんな話を聞かされるとは思ってなかっただろう。


そして、自分には手に負えないと思って私のそばから去っていく。
…結末なんて見えているのに。


―――さぁ、早く何か言いなさい?






「…こんな風に男に触られるのは初めてか?」


しばらくして、私を抱きしめる手を緩めながら彼はそう口を開いた。





< 62 / 132 >

この作品をシェア

pagetop