無愛想なCinderella
Ⅶ・冷たいまなざしに
【松島千尋side】
「見て、松島さんよ!」
「松島さん、こっち空いてま〜す」
黄色い声を上げる女子社員の間をくぐり抜けて、俺は前の席に座った。
…だから研修なんて嫌なんだ。
前の席に座れば女子社員も寄ってこない。
そう思っていたら、隣の席に女子社員が座った。
首からぶら下げているIDカードから、彼女が研究開発部所属なんだとわかる。
…研究開発部の女子なんて初めて見た。