無愛想なCinderella
研修も終わり、彼女は時間を確認していた。
今ここで声をかけなかったら、次いつ会えるかわからない。
そんな思いで、俺は彼女の後ろに立った。
「…ぅわっ!」
次の瞬間、彼女は急にこちらを振り返った。
彼女を避けようとした弾みで、俺は手に小さな怪我をしてしまう。
そのとき渡された無地のハンカチ。
まるで男物のようなそのハンカチを差し出す彼女の表情は今までに出会ったどの女よりも綺麗だった。
…ついじっと見過ぎたせいで逃げられてしまったのだが。