無愛想なCinderella
この日の夜、俺は隅田先輩と飲みに行った。
「…ちゃんと話せたのか?」
そう尋ねてくる先輩に、俺は頷く。
「はい。…時間はかかりそうですけど、じっくり頑張ろうかなと」
「そりゃいいや。しっかりな」
先輩には妹がいたが、数年前に病気で亡くなってしまったらしい。
桐生菜月と同い年らしく、どうしても妹のように見てしまうんだとか。
「まずはどっか遊びにでも連れ出してみます」
―――あんなに強く降っていた雨もすっかり止み、外は星空が広がっている。
…彼女の心も、少しは晴れますように。