無愛想なCinderella
Ⅷ・パンダ
―――今日は快晴。
いつもならうっとうしいと感じる空の色も、今日はそこまで気にならない。
そんなことを思いながら、私は開発センターまでの道を歩いていた。
「おはよう、菜月ちゃん」
その声に私は振り返る。
するとそこには、松島千尋がいた。
…な、菜月ちゃん!?
「…下の名前でなんて呼ばないでください!」
青空にも負けないさわやかさで私に近づいてくるもんだから、私はそう言い返してセンターまで走った。