無愛想なCinderella
俯きがちの私に、彼は駆け寄ってきて私の顔をのぞき込むような体勢をとる。
「どうした?具合悪い?」
その言葉にはっとして私は首を横に振る。
「いや、その…恥ずかしくないですか?私と並んでるの」
「は?そんなん考えたこともないよ。菜月ちゃんとデートだから昨日から楽しみだったし」
そっと顔を上げると、そう言って優しく笑う顔がある。
「………そうですか」
私はそれ以上何も言えなくて、腕を引っ張られれまま車に乗せられてしまった。