無愛想なCinderella





店内にはぬいぐるみやストラップ、お菓子などたくさんのものが並んでいる。


その中で私はまっすぐある棚に向かった。


…パンダのぬいぐるみ。


あの日買ってほしかったけど言い出せなかったそれは、今なら簡単に買える。
それがなぜだか、今ほしくなったのだ。



「買ってやるよ」


私が一番小さなぬいぐるみを一つ手に取ったとき、隣で私を見ていた彼がそう言った。



「えっ!い、いや、自分で買えますから」


私はそう言って早足でレジに向かおうとした。





< 89 / 132 >

この作品をシェア

pagetop