無愛想なCinderella
私が必死の思いでそう言うと、彼は満足そうに目を細めている。
…こんなことをやっている私たちは、端から見れば恋人同士に見えるのかな?
そんなことばかり考えてしまう。
私、頭がおかしいのかもしれない。
「―――菜月。ありがとう」
彼は私の頭をくしゃりと撫でると、絡めっぱなしの指に力を込めて私を引っ張っていくのだった。
…ふわふわして、変な感じ。
最初は戸惑ったはずなのに、今は違和感なく指を絡め合っている。
私どうしちゃったんだろう。
そんなことばかりを考えているのだった。