こころ
『真君、大丈夫?』
―当時、俺の家は両親の離婚問題でギクシャクしてた。
毎日毎日喧嘩を繰り返す両親。
俺は………弟を慰めながら必死に耐えてた。
寂しくて、孤独で、辛くて。でも学校では、同情されたくなくて。
俺は笑ってた。平気なふりをしてた。
そんな、無理をしていた俺を見透かしたのは、心だけだった。
『真君、大丈夫?真君、なんだか辛そう。』
心が俺の頬にそっと手を伸ばしてそう言った時、本当は俺は誰かに気付いて欲しかったんだって、わかった。
誰かに、わかって欲しかった。癒して欲しかったんだって。
あの時、俺はこころの中心にまで手を差し伸べられた気がした。
心は、俺の理解者、俺を救ってくれた人だったんだ。―