こころ




「頼むから……。あなたを守らせて欲しい。あなたの力にならせて。俺を、必要として欲しい。」

それは、告白なんかじゃなくて、進君には何かすがるものが、自分を奮い立たせる存在が必要なんだと、思った。

真由を支えたのも、私を支えたのも、そうすることで進君は自分がいる意味を、見出だしたかったんだと。
この時、ようやくわかった。




「あなたまで、いなくなったら俺が困る。心さん……俺を、癒して。そばにいて。」

「………いかないよ。いかない。」

思わず、進君を抱き締めてた。
さっきと、逆の立場。


< 138 / 213 >

この作品をシェア

pagetop