こころ
二人の時間
わ、忘れてた………。
美姫さんの訪問ですっかり忘れていた『進君との約束』。
―……一緒にでかけようって約束だったでしょ?―
そう言われて、時計をみると、一時をまわっていた。
もう昼過ぎかぁ~。
「心さん?」
「ごめん!あと三十分、いや、二十分待って!」
「いや……いいんだけど、お昼どうする?なんか食べてから出る?」
「あ~……」
「なんか、軽く作ろうか?」
そう言われて、嬉しくなった。実は私、進君の料理がすごく好きなのだ。
「うん!ありがとう~。」
―こんなとこ、美姫さんにみられたら怒られちゃうかな?……でも―
せめて今日だけでも、楽しみたかった。そんな私は、ワガママだよね。
自分の気持ちさえ、わかっていなかったのに。