こころ
近づいて離れて
「………ん。」
目が覚めてすぐに、温かい、心地良い感触に気付いた。
真が私を抱き締めてくれていた。
真は可愛らしい顔で眠っていた。
真は、かっこいい。普段は少年のあどけなさが残ったような無邪気な表情が印象的で、人をひきつけるのに、真剣な瞳で見つめられると男らしさにこころを奪われてしまう。
真が横にいることがなんだか嬉しくて、私は真のまぶたにそっとキスを落とした。
「う………ん。こ…ころ?」
まだ眠たそうな真が目をこする。
「あ、ごめんね。起こした?」
「仕事行かなきゃだから大丈夫。それより、人の寝込み襲うなよっ!」
「な………」
「う~そ。心になら何されても嬉しい。」
「なにそのM発言!」
ちょっと照れくさくて、そう言って笑ってごまかした。
幸せだった。