こころ
「……ふ、ふぇぇん……ひっく………。」

寂しくて、悲しくて。

どうして私がこんな目にあわなければいけないのか。
神様はどうして、私の幸せを、奪ったのか。


私はどうして、素直になれないのか。




進君がいなければ、眠りにつくことさえもできない。



じゃあ進君までいなくなってしまったら?
私は生きていける?



―真。あいたい。―

この時ほど、真のもとへ行きたいと願ったことはなかった。

そんな私をひきとめたのは、


『いかないで……』そう言った進君の顔。
『いかない』と応えた私。



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