こころ



「でも……辛かったのも、本当、かな。」

こっそりと自嘲気味に笑った進君に、胸が痛かった。
「あなたを好きになるほど、辛かった。いつでも俺の愛した人は兄貴をみてた。真由も……心さんも。兄貴が俺にとって届かない存在だからこそ、辛かった。」


せめて……真でなければ。彼が好きな、真がライバルでさえなければ。
違った答えがでたのかな。

< 194 / 213 >

この作品をシェア

pagetop