こころ
不安定なこころ
―………こころ。こころ……まだ離れたくない。―
真の声が聞こえた気がして、私は飛び起きる。
でも真を探す私の目に映るのは、自分の部屋の景色だけ。
当たり前だ。
真はもう、この世にいない。
先日、『向こう』に見送った。
『心さん、何かあったらすぐに言って?俺に出来ることなら何でも力になるから。』
お葬式の日、進君は私にそう言ってくれた。
やっぱり悲しくて、涙は溢れて止まる気配すらなかったけど、進君がそう言ってまた抱き締めてくれたから、少しだけこころは落ち着いた。