こころ



真。
私はあなたを、愛してる。





「兄貴………。」

私の肩に手をおいた進君の声。
振り返ると、進君も泣いていた。

私の視線に気づいても、進君は隠そうとしなかった。

「兄貴を思って泣くことは、恥ずかしいことでも、隠すことでもない、だよね?」

そう言って微笑んだ。





綺麗だった。



こんなにも綺麗な涙を流す人を私は他に知らない。
< 58 / 213 >

この作品をシェア

pagetop