こころ
「やっぱり、何度みても涙がでるんだ。兄貴が、本当に俺のこと気にかけてくれていたことを思うと。………まぁ、途中からラブレターみたいになってるけど。」

といって、進君は少し微笑んだ。




それは世界一素敵で、悲しいラブレターだった。

彼の想いを知れば知るほど、私が失った存在がいかに大きいものかも知っていくから。




「進君と真って、本当に素敵な兄弟ね。」

「兄貴は俺の尊敬する人だから………。心さん、実は俺の名前、兄貴と一緒なんだ。」

「え?」

「兄貴の『真』っていう字は『しん』って読めるだろう?よく、兄弟同じ名前だって思われた。」

それが、誇らしかった。


進君は、そう言って笑った。
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