【ゴマだれ】REDさんの勉強会レポート【提出用】
ビシィッ!!
ん?
農民の一人が、とても鋭い「何か」で叩かれる様な音を聞いたようですが、周りにそれらしき物はありません。居るのは優しい伯爵様に伯爵にかしづくメイド長、そして幾人かの領民。
彼はすぐに気のせいだと思い気にしなくなりました。
「ありがとうございます!このご恩は忘れません!伯爵様は私達にとって神様みたいなものです!」
領民達は何度も何度も伯爵に頭を下げてお礼を言いました。
伯爵は大変清々しい気持ちで城への帰路に着こうとしました。
ビシィッ!
「あうっ何をするんです!エスプリ!」
「お黙りなさい!その様な重要な事を、家臣に相談をせずに決めるとは!」
「でも…」
ビシィッ!
「ああっ」
エスプリの光速の鞭が唸ります。領民の聞いた「何か」の音の正体はこれでした。
「でももへったくれもありません!私は貴方のお父様、前の伯爵様のお言いつけで教育係兼メイドとしてお仕えしているのです!貴方は優しいが感情に流され過ぎる、良き伯爵となるには時には厳しさも…」
そんな長い尺のセリフの最中も、手元の鞭は容赦なく伯爵を打ち据えます。
でも伯爵はそれはそれは幸せな気持ちでいっぱいでした。
「ハアッハアッ…ふぅ…伯爵、お城におかえりになりましたらお話がございます。」
「あっ…でも…ほら、お隣の領地の男爵にさ、お歳暮のお礼を言わな…」ビシィッ「あうっ」
「お は な し が ご ざ い ま す!よろしいですね?反論は許しません」
「…ハイ…」
こうして伯爵はメイド長に連れられて、お城に帰って行きました。