【ゴマだれ】REDさんの勉強会レポート【提出用】
「…ハイ。特に問題はありませんでした。18:30終了です。これから交番に戻ります」
そういってスズキは無線を切った。
「寒いので早く戻りましょう」
そう呟くスズキの吐く息は白い。
事件といっても大した事はなかった。
酔っ払った男がトイレで寝てしまい、パニックになった店員が警察に通報しただけだった。
「まったく…たかが酔っ払いで一々警察呼ばれてたらたまったもんじゃないな…」
ついでに夕食を買ったタナカはブツクサ文句を言いながら自転車にまたがった。
それを聞いたスズキはタナカに振り返りながら言う。
「それは違いますよ。あの店員達は本当に困って通報してきたんです。もしあの酔った方がトイレの中で頭をぶつけて意識がなかったらどうしますか?」
「…」
なにも答えられないタナカにスズキは続けた。
「警官は被害に遭われた方の気持ちに敏感じゃなきゃいけないんです。我々が守るのは政治家の財産でも警察の名誉でも無く、一般市民の心なんです」
そう言って、彼が語ったのは警官なろうと思った経緯だった。
それは実にシンプルなものだった
何でも彼が小さい頃の話で、両親が忙しい仕事の合間をぬって遊園地に連れていった時の事だった。
彼は余りの嬉しさに、はしゃぎすぎて迷子になってしまった。
そういってスズキは無線を切った。
「寒いので早く戻りましょう」
そう呟くスズキの吐く息は白い。
事件といっても大した事はなかった。
酔っ払った男がトイレで寝てしまい、パニックになった店員が警察に通報しただけだった。
「まったく…たかが酔っ払いで一々警察呼ばれてたらたまったもんじゃないな…」
ついでに夕食を買ったタナカはブツクサ文句を言いながら自転車にまたがった。
それを聞いたスズキはタナカに振り返りながら言う。
「それは違いますよ。あの店員達は本当に困って通報してきたんです。もしあの酔った方がトイレの中で頭をぶつけて意識がなかったらどうしますか?」
「…」
なにも答えられないタナカにスズキは続けた。
「警官は被害に遭われた方の気持ちに敏感じゃなきゃいけないんです。我々が守るのは政治家の財産でも警察の名誉でも無く、一般市民の心なんです」
そう言って、彼が語ったのは警官なろうと思った経緯だった。
それは実にシンプルなものだった
何でも彼が小さい頃の話で、両親が忙しい仕事の合間をぬって遊園地に連れていった時の事だった。
彼は余りの嬉しさに、はしゃぎすぎて迷子になってしまった。