空と海が交わるとき

彼は首を傾げた。


「いくら湊のおかげで薬が手に入って、お母さんを助けられたからって…危険を犯してまでする事じゃないよ。

なのに、君はどうして…。」



命の危険を犯してまで



知り合いでも無い筈なのに…



「…俺さ、大人達にずっと空の民は残酷で悪い奴等だって教えられてきた。」



ズキッーー胸が痛んだ。



「正直、薬貰いに行った時だって…死ぬ覚悟をして陸地に上がったんだ。


けどあの兄ちゃんは、海の民の俺を『人』として見てくれた。」




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