空と海が交わるとき

届かない手













ガン、と玄関のドアが荒々しく閉まる。



雑に靴を脱ぎ捨てると、俺はベッドに向かって鞄を乱暴に投げた。




「っ…クソ!」



怒りに任せて棚を蹴ると、ガシャンと音を立てて中のものが次々に落ちていく。



「ハァ…ハァ…。」



荒れた部屋を見て、俺は漸く我に帰った。




…何やってんだ、俺




呆れて溜め息を吐くと、一台の写真立てが視界に入った。







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