空と海が交わるとき

「トメさん?」突然の怒声に肩を震わせた。



「海の民が陸にあがるなんて…何て不吉な事を!」



「っ…違うトメさん!この子は私達に危機を教えに来てくれたんだよ!」



私も負けじと叫んだ。




違う




何もかも間違ってる




「騙されてるんだよ莉子ちゃん!ソイツは、きっと私達を偵察に来たのさ!」



トメさん…




何で、何で信じてくれないの?




体中が震えていく中、右手に感じた小さな温もり




視線をやると、蒼我君が私の袖をギュッと握っていた。






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