空と海が交わるとき

俺の言葉に司は笑う。


「…ようやく、思い出したか。」



「あぁ…全部、思い出した。」



思い出した



俺たちの過去も




莉子の事も




里奈の事も





「アイツ、今までにない冷たい瞳だった。…まるで別人だ。」



悲しそうに語る司。



俺は黙ったままだった。




「けどさ、自分は海の姫だとかほざいてたわりには、急所わざと外すとか…甘いよな。」



「あぁ…何敵に情けをかけてんだろうな。」




本当に、アイツは




優しすぎる




「莉子から…伝言だ。」





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