空と海が交わるとき




重いドアを開けると、雨が降り続いていた。




俺たちが通っていた、学校




何も変わらない、雨の日の屋上に





莉子の姿が見えた。




「…莉子。」



俺の声に、彼女は振り返る。




いつも輝いていた笑顔は今はもうなく




ただ、冷たい海色の瞳が俺を捉えた。




「待ってたよ…湊。」




微笑んだ莉子。



だけど、どこか他人を見てるみたいだった





「司には会ったんだ…。って事は、全部思い出したんだよね?」




莉子の問いに、俺はもう一度頭を整理して



「あぁ。」


覚悟を決めて




「全部、思い出したよ。」




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