空と海が交わるとき

薬を餓鬼に渡した瞬間、主人のそんな声が聞こえた。



「あ、悪い。金なら払うから。」


「いやそうじゃなくて!!」


財布を出そうとした俺の手が止まった。



「湊さん…ソイツ海の民なんですよ!?」


「知ってる。」



俺は餓鬼に視線を送る。



分かってくれたのか、ソイツは薬を抱えて走り去った。




「何で海の民に薬を売るんですか!?アイツ等は、俺達の敵ですよ!?」



「敵だけど…同じ人間だろ?」




< 24 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop