空と海が交わるとき

力無く笑って


莉子は俺を見た。



「湊は敵だって思い込んで…心に嘘を吐いて皆を傷つけた。きっと罸が当たったんだね。」



「莉子…。」



足音が遠ざかっていく。


アイツ等はどうやら逃げたらしい。



「ダメだ…莉子…死ぬなんて許さねぇからな。」



俺の言葉に莉子は優しく笑って


ゆっくり首を横に振った。



「…もう無理だよ。きっと私は消えちゃう。」



「消させない…絶対に、莉子を消させない。」



気がついたら、俺の視界も涙で歪んでいく。



「海に行くんだろ!?俺と司と…三人で。せっかく気持ちが届いたのに…サヨナラなんてさせるかよ!」




「ううん…湊は一つ、勘違いしてる。」







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