空と海が交わるとき

「えっ?」俺は一瞬言葉が詰まった。



「湊が好きなのは私じゃない…里奈さんだよ。」



莉子の言葉に何も言えなかった。



俺が好きなのは、里奈…?



「湊は昔から里奈さんの事が好きだった…。けど、気持ちを伝える前に私と里奈さんは入れ替わった。

だから湊は私を里奈さんの代わりにしか見てないんだよ。」



「それは…。」




確かに、俺は里奈の事が好きだった



もしあのまま里奈が側にいたら、俺は里奈に告白の返事をするつもりだった




「…確かに、最初は里奈の代わりだったのかもしれない。」




里奈の存在を莉子に置き換える事で、俺の気持ちを処理していた



「でも…今思い出すのは里奈じゃない。



お前の記憶だ…莉子。」




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