空と海が交わるとき
あの日から毎年、莉子と司は飴玉を俺にくれた
俺もそれが習慣になってて、いつも空を見上げながら三人で舐めていた
「なんだ莉子の奴、それは渡してくれたんだな。」
司の言葉に俺は確信した。
莉子は、これを帰りに買いに行って
そして…
「…確かに、俺は馬鹿だな。」
一人だけ、何も知らずに…
俺は飴玉を手にとり、一つは司に投げた。
司が取った事を確認する前に、俺は飴玉を口にくわえて
空を見上げる。
空は何も変わらないのに
何故か濁って見えた。