-短編- 生まれ変わっても… また。
「村居…沙結」
「沙結ちゃんか… 歳は?」
「15歳。本当は今年から高校生」
“本当は今年から高校生”なんて言ったら、せっかく忘れかけていた事もだんだん思い出してしまった。
あたしの涙が込み上げてくるのに気付いたのか、男の子は優しく微笑んだ。
「俺は、島崎慶太。沙結ちゃんと同い年。んで、あとちょっとで高校生!! …でしょ?」
あたしの目を覗き込んで、慶太くんはにっこり笑う。
その姿に、キュンとときめいてしまうあたしがいた。