チェリーガール

バレンタイン決戦！

一夜にして大雪は地面に純白の衣を与えた。



そして、日常見慣れた風景を変えてしまった。



日が射していて積雪を溶かしている。



さきほどから、強風が私の髪をなびかせている。



せっかく巻いた巻き髪が変な髪型になっちゃうよ……。



なんで私が髪を巻いてきたかって？



決まってるじゃない！



それは、今日がバレンタインデーだから！！


碧様邸まで昨日降った大雪のせいで雪道を歩くはめになった。


しかも、身を切られるように冷たくて寒い風が吹いている。


こんな二重苦にもめげず、私は碧様に真心を伝えるためにここまで来た。


待っててね、碧様。


私、あなたにこの想い届けます。



私は、あれから考えた。


ライバルのＥＲＥＮＡは、立派な戦闘服や武器を持っている。


それに引き替え、私はというと丸裸。


闘って勝てる相手じゃない。


ＥＲＥＮＡみたいに美しくないから何をどうすればいいのかわからない。


自分に対する自信さえない。


でも、どうしても碧様に私の気持ちを知ってほしかった。


よく考えたら春になったらそれぞれの道を歩むことになるから予備校で、もう会えなくなるんだよ。


今、ここで気持ちを伝えなきゃ！！


もう伝えるチャンスはないかもしれない。


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