チェリーガール
さてっと。


ご飯、食べに食卓行きますか!!


今日は、カレーっと~♪


部屋のドアノブに手をかけた、その瞬間。


バタン。


また戸が開いた。


ゴツンッ。


私、ドアにおでこをぶつけた。


ちょっと痛い。


何?


誰が開けた?


「心愛」


ひょこっとお母さんが顔を出す。


「何か?」


おでこを自分でさすりながら、尋ねる。


「あの子が来てる」


そう言うお母さんの目は笑っていた。


あの子?


誰?


「リビングの窓から見えたの。だから、お母さんね、声かけたの。それで、うちに入れてあげたわ。心愛に会いたがってる。下にいるわよ」


「誰が来たって?」


「あの子よ」


「『あの子』じゃ、わかんないよ」


「お母さん、名前まで知らないもの」


「男? 女?」


「お・と・こ! ふふふ」

お母さんは気分が高揚している様子。


< 174 / 202 >

この作品をシェア

pagetop