チェリーガール
「そのまさか、だよ」


碧様のメガネのレンズ越しの瞳が揺れたような気がした。


「うっそ―――――!!」


私、絶叫。


ひっくり返りそうになった。


碧様が?


ありえなーい!!


どーして?


「前期試験の日に、僕も風邪を引いたんだ。高熱でコンディションが悪かった。健康管理が行き届いていなかったのかもしれない。今更、こんなことを言っても言い訳に過ぎないけどね」


え―――――!


それって私がうつしたんじゃない?


見舞いに来た時にだよー!!


どうしよー!!


私のせいじゃない!?


「私が……うつしたのかも……」


「君が?」


「うん」


しばし、私も碧様も黙す。


こんな時、どうすればいいの?


私、碧様の人生を狂わせたんだよ?


そう考えたら……。


ぎゃ~!!!


どうしたらいいのー!!


「ごめんなさいっ」


私、勢い余って土下座した。


こうするしか、ない。





< 178 / 202 >

この作品をシェア

pagetop