チェリーガール
「それで、僕は君と仲良くなりたくて卑怯にも須田さんに近づいた」
「すだちに?」
「ほら、覚えてない? 模試の成績を見せ合ってただろ?」
「あー! あれか。それで、すだちに話しかけたんだ」
すだち、利用されたんだ……。
ちょっと、かわいそう……。
「僕は君のことを好きになり過ぎて気が変になってた。恋に狂ったんだ」
「えー! 碧様が恋に狂った~!?」
碧様でも恋に狂うんだ……。
(雪男の恋狂い?)
人は見かけによらないもんだな……。
「うん。バカなことをしたよ」
「バカなこと?」
碧様はひと息つく。
そして、何か言おうとして躊躇ってる。
なんだろー?
何したの?
想像つかないよ。
超気になるんですけど。
「やっぱり、言えない」
「えー! 教えてー。メチャ知りたい」
「ごめん」
「えー! そこまで話しておいて、そりゃないよー。気になるじゃない」
「恥ずかしいんだ」
碧様が照れ笑い。
「えー! 教えてよー。何?」
「気持ち悪いと思われるから」