チェリーガール
付き合って、1ヵ月が経とうとしていた。


碧様は、私が抱いていたイメージと全然違った。


現実と理想のギャップを感じる。


「エレベーターが来たで」


出た!


大阪弁っ!


今日の碧様の一発目の大阪弁。


「乗ろ」


またもや大阪弁を使う。


やめて……。


苦手なんだよ……。


エレベーターの扉が開く。


私たちは展望用エレベーターに数人の人たちと乗り込んだ。


「景色キレイやなあ」


またまた大阪弁。


あー、やめて!


東京弁に戻ってー!


碧様は私の心の悲鳴など、つゆ知らず呑気にガラス張りのエレベーターから外の景色を眺めている。


そう。


実は、彼は大阪弁。


バリバリの関西人だった。


聞いたところによると、なんでも親の会社の都合で小6まで大阪にいたらしい。


それで、私と交際するようになってからは大阪弁を炸裂させるようになった。


こんなこと……全然……知らなかった……。


なんてこと……。


よりにもよって、大阪弁なんて……。


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