チェリーガール
すると、さっきまで誰もいなかったのに子供たちが碧様宅の前で遊んでいた。


子供、可愛い～♪

三人いる。

皆男の子だ。


小学校低学年くらいかなー。


お菓子食べてるよー。


どの子も愛らしいなー。


話しかけたい。


でも……。


碧様の足取りはペースダウンした。


イヤな予感がした。


碧様は子供たちの前まで来ると、立ち止まった。


子供たちの笑い声は途絶え、子供たちは碧様の方を見る。


嵐の前の静けさだった。



「君たち……」


静かな口調だったが、碧様の声は響いた。


碧様は腰を曲げて、かがんで何かを拾い上げる。


そして、それを子供たちに見せた。


後ろからでは、何を拾ったのか見えない。


「人の家の前にゴミを捨てるんじゃない」



碧様が拾い上げたのは、ゴミだったんだ。


家の前に、ゴミ捨てられて怒ってる……。


「お菓子の袋を持って帰りなさい」


厳しい碧様……。


子供でも容赦しない……。


子供……嫌い……なんだ……。
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