チェリーガール
私は子供好きなんだけどなー。


でも、子供に限らず碧様は人間嫌いって感じする。



「嫌だよーだっ！」


男の子が反抗する。


「そうだ。そうだ。嫌だよ。誰が持って帰るもんか。あっかんべー」


もう一人がそう言いながら、人差し指で目の下を引っ張って舌を出す。


碧様ｖｓ．小学生


ケンカが始まった……。


「ママが言ってたー！　こいつゴミに敏感で神経質だってー！　神経質！！」


「うちのママも言ってたー！　キレイ好きでうるさいってー！　こういう人、潔癖症っていうんだってー！　やーい、潔癖症！！」


二人がはやし立てる。


もう一人の子は大人しいのか黙ったまま。


「神経質！！」


「潔癖症！！」



二人が碧様にヒドイ言葉を浴びせて馬鹿にして笑う。



碧様って……いつもこんな目に遭ってるような気がする……。



「僕のママ……」


ぼそっと呟くように今まで黙っていた子が、喋り出した。


「僕のママが……この人のこと……そんな性格だから……彼女ができないんだって言ってた……」


それを聞いた二人の子供たちの笑顔は消え、心底気の毒そうな表情に変わった。


「それ、本当？　この年で彼女いないの？　彼女ができない人なんだ」


「信じられない。彼女いないんだ。兄ちゃんなんか、いっぱい彼女いるのに。かわいそう」



子供たちは同情しているが、ひいてるような感じでもあった。


「もう、行こう」


最初にケンカを吹っかけた子が、他の二人に呼びかける。

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表紙・目次

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