チェリーガール
そういうところが、好きなんだけどね。


ふふ♡

でも、今のところ確実にフリーみたい。


ストーカー心愛こと梨田心愛、チャンスです。


早くエロエロチェリーガールの私のモノになって~♡


碧様~♪



▼ ▼ ▼ ▼ ▼


その学校の校門付近を塀に沿って歩いていると、カサカサと音が鳴る。


何の音だろうと不思議に思って下を見ると、散った落葉がうずたかく嵩ををなしていて、それを私が踏むたびに音がするのだと知った。


さわやかな秋日和の中、私は校門へと歩を進めていた。


近頃は、朝晩の冷え込みが厳しく冬が目前に迫ってることを実感する。


徐々に辺りが冬の風景に衣替えしつつあった。



「おーい。こっち。こっち」



校門から姿を現して手を振るのは、たまき。



たまきのところへ駆け寄った。


「待った?」


「ぜんっぜん! ここまで来るのに何で来た?」


「電車」


私は電車に乗って緑川高校から桃陰学園までやって来た。


そりゃ、もちろん彼のため。


たまきに会いたかったわけじゃない。


「すごい根性してるね。学校まで来るんだもん。熱心だこと」


「今日、予備校ないから寂しくて……」


「その熱心さを勉強の方に活かせない?」


「それ、今日すだちに言われた」


「あー。すだちのことだから呆れてたでしょ?」
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