チェリーガール
私はたまきのそば近くまで移動した。


「何やってるの?」


「雑誌読んでるの」


「あの……ストーカーは……?」


「あー。ごめん。飽きた」


「えー。もう?」


「うん。雑誌見てるのがイイ!」


「まー、こっちも無理にとは言えないし……」


ストーキングを無理に誘うのはちょっとね……。


犯罪の魔の手に友人を染めるのは、気が引ける。


そんなわけで、ここからは1人だ。


いつも通りってわけで頑張る。
(何を?)



碧様は、参考書を買わずに本屋を出た。


私もそれに応じて店を出る。


「がんばれ。ストーカー!」


出る時、本屋にまだ滞在してるたまきが小声で声援を送った。


私、元気いっぱいの明るい笑顔を向け頷いて彼女の声援に応えた。


さあ、頑張るぞ!
(だから、何を?)



こうして私のロード・オブ・ザ・ストーカーは始まった。


碧様は、学校から帰宅する際は有酸素運動しないようだ。



普通に電車で帰ってきた。


けっこう遠いからだと思う。


それで、駅から私たちは並んで……いや……縦に並んで歩いた。


いつか肩を並べたい……。




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